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2023.11.10
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【開催報告/生理セミナー】株式会社Be-A Japan、アスリートを医学的にサポートするアスレティックトレーナー*を目指す学生に向けて生理セミナーを実施。

超吸収型サニタリーショーツブランド「Bé-A〈ベア〉」を展開する株式会社Be-A Japan(本社:東京都渋谷区神宮前、代表取締役:髙橋くみ、取締役:山本未奈子)は、2023年11月6日(月)に、愛知県にある至学館大学にてアスレティックトレーナー*を目指す学生を中心とした104名(男59名、女45名)に向け生理セミナーを実施いたしました。
当日は、Be-A Japan CEO髙橋と商品開発責任者 中村が登壇し、生理に関する基礎知識をお伝えしました。またスポーツの現場で出会う場面を想定しながら、生理を経験する女性アスリートの心身との関わり方をワークショップやディスカッションを通して学ぶ場となりました。
*スポーツ選手の健康管理やケガ予防、救急処置、リハビリなど、医療に関わる高度なケアを行い、医療とスポーツをつなぐ職業

開催に至った経緯
Be-A Japanでは、次世代により良い世界を手渡すことを目的としたブランド活動「Girls Be Ambitious Project (ガールズ・ビー・アンビシャスプロジェクト )」を行っています。本プロジェクトの活動として、小中学生親子や学生に向けた生理セミナーを、これまで20回(合計807名ご参加)にわたり実施してまいりました。
タブー視されがちな生理について正しい知識と選択肢を学ぶことで、誰もが生きやすい社会を目指して継続的なセミナー活動を行っています。

このたびの至学館大学での生理セミナーは、至学館大学体育科学科の教員である今井美希先生のご協力により実現しました。今井先生は、かつて走高跳競技者としてシドニー五輪や世界選手権などでご活躍され、また、女子走高跳の日本記録を保持するアスリートでもあります。
今井先生ご自身も、現役時代にひどい生理痛に苦しみ、月経量が多いなど「生理に関する悩み」を経験されました。
そして現役引退後は、スポーツ選手の指導やスポーツに関する職を目指す学生の育成に携わる中で、激しいダイエットにより引き起こされる「無月経」に悩む選手を目の当たりにし、また、男性指導者も女性アスリートや女子学生の生理に関してどのように声をかければいいのか悩んでいる現状を知ったそうです。

そのようなご経験から、今日ではスポーツと生理に関する知識の普及や、女性アスリートが気軽に相談できる環境整備、性別に関係なく女性アスリートと生理に対する理解をもつ人材の育成を目指した取り組みを行われており、その一環として、Be-A Japanがアスレティックトレーナーを目指す学生に向けた生理セミナーが行われました。

すべての女性アスリートにとって、生理と向き合いながら最大限の力を発揮することは並大抵のことではありません。若年選手であれば、発達に伴い著しく心身が成長する最中に、競技力の向上を求められます。
そのような状況で、コンディションやパフォーマンスに影響を及ぼす生理を疎ましく思う女性アスリートは多く、ハードなトレーニングや食事等の制限による「無月経」もまた、女性アスリートの多くが経験するといわれています。
無月経が、骨強度や妊孕性の低下など将来さまざまなリスクを伴うことは、アスリートが自らの長い人生を見据えて知っておくべき大切な問題であり、そのためには周囲の理解やサポートが欠かせません。
アスレティックトレーナーを目指す上で、生理への理解は欠かせないもの。Be-A Japanでは、女性自身が生理を正しく理解し、上手な付き合い方を学ぶことの大切さを広く伝えるとともに、ともに生きる男性にも生理を正しく知ってもらうことで、誰もが生きやすい社会を実現できると考えております。

この度のセミナーでは、男女ともに生理を正しく学び、アスレティックトレーナーとして持っておきたい知識を身につけることで、将来の夢へと繋げていく、とても良い機会となりました。

セミナーの様子
セミナーは3部構成で行いました。

①生理の基礎知識〜知っておきたい生理の基本とスポーツと生理の関係〜
Be-A Japan代表の髙橋が生理について関心を持ったきっかけも、実はスポーツです。2011年に日本女子サッカーなでしこジャパンが優勝した場面で、日本チームのユニフォームは男子チーム同様白いボトムスでした。下半身がTVでアップになることもしばしばあるサッカーで数十人のチームともなれば、誰かが生理になっていておかしくないだろうに、
白いボトムスであることに違和感を覚えたことが始まりです。近年では、女性アスリートが声を上げ、ユニフォームの形状を変える国もでてきたり、生理期間中には特別メニューを組むチームの存在について紹介し、徐々に、生理を始めとした女性ならではの悩みとスポーツの問題への理解の広がりを実感する、ということを話しました。

また、女性アスリートのなかで特に問題になっていることの一つが「無月経」。
Be-A Japanが、対象の学生に事前にとったアンケートによると、77%もの方が「生理が止まると体にどのような影響出るか知らない」と答えました。

女性にとって健康のバロメーターでもある生理が止まってしまうことは、骨粗鬆症を起こしやすくなる他、不妊の原因にもなり得ること、そして現役引退後の健康にまで大きく影響することなどを話しました。
学生からは、「なんとなく知ってはいたけれど、不妊にまでつながることだとは思わなかった。女性だけの問題ではなく、男性も、そして社会全体で考えるべき問題」という声もあがりました。


②ワークショップ〜最新の生理用品事情〜
ナプキンやタンポンなどの生理用品、また、吸水ショーツも実際に手に取っていただきながらご紹介。男子学生たちは初めて手に取るナプキンやタンポンの扱い方に戸惑いながらも、真剣に吸水実験に取り組んでいる様子でした。またタンポンを、実際に見たことも触ったこともないという女子学生もいる中、「ナプキンやタンポンそれぞれの良さがあると知ったので使い分けられると便利かもしれない。今後指導者になった時に多くの選択肢があり自分に合ったものを選ぶ大切さも伝えていきたい」という意見もありました。


③グループディスカッション
アスレティックトレーナー、またスポーツに関わる指導者になった自分を想像し、3つの場面をお題にしたグループディスカッションを実施しました。

1つ目の場面は『突然生理になってしまった生徒・選手への対応』
「練習前に選手(生徒)が伝えてきた場合には、本人がどうしたいのかを尊重し、どのくらいなら動けそうかを相談する」という意見や、「常に生理用品を準備しておいて、渡せるようにする」という意見があがりました。
髙橋からは、「突然生理になってしまって本人は気づいていない、ということもよくあります。そんな時はそっと教えてあげるのも優しさですね」と伝えました。

2つ目の場面は『生理なので練習を休みたいと頻繁に申し出る生徒への対応』
「どうしたら休まずに参加できるかを一緒に話し合って、生徒に負担のない方法を見出す」という意見があがりました。
「アドバイスではなく、“一緒に話し合う”という、相手に寄り添ってあげる優しさが素晴らしいですね。今日は『経血の量』のことも学んだので、休む理由に“量が多いから”ということがあれば、一度病院にかかることも視野に入れて話してみるのも良いかもしれません」と髙橋は話しました。

3つ目の場面は『生理について伝えやすい環境を作るために、チーム内でどんな声をかけるか、どんな行動をするか』
「(新入部員などが入ったタイミングの)4月の時点で、生理の知識について男女問わず共有する場を設ける。そして、チーム内で共通の理解をもっておくことが大事なのではないか」
「日頃からコミュニケーションをとって、生徒との関係性をよくして相談しやすい環境を作ることも大切」
などの意見や、「週に数回、練習前にコンディション確認のための面談の時間を設ける」
といったアスレティックトレーナーを目指す学生ならではの意見も多く見受けられました。

中村は、「まずは、気軽に相談しやすいよう、トレーナー(先生)の方から、その環境を整えてあげること、そうすることでチーム内での理解も深まり、互いを思いやることができますね」と話しました。

未来のアスレティックトレーナー、そしてスポーツに関わる職業を目指す学生にとって、生理への知識や理解を深めることで、きっと多くの場面で役立つことでしょう。
相手の立場に立ち寄り添える指導者になりたいと真剣に向き合う、学生の印象的な姿に、Be-A Japanとしてもとても実りあるセミナーとなりました。

参加者の声
・生理というのは男性はならないけどそれをきちんと理解してあげることで女性も少しは気が楽になると思いました。(男性)

・私は普段生理痛があまりなくて、初潮がきてからは生理痛が酷い人の感覚が分かりませんでした。でも、自分が生理不順になって生理の量が増えた時にやっと生理痛が酷い人の気持ちやしんどさが理解できました。その時に、人によってほんとに違うんだなと思ったし、あまり良いことでは無いけれど、それを経験できてよかったとすごく思いました。 このような講義をもっと色んなところで、もっと早い段階からやってもらえたらいいなととても思います。(女性)

・知りたい内容ばかりで聞けてよかったです。彼女とも今日の話をしてみます。(男性)

・現在は昔よりも初経が早く生涯で数多い生理を女性は経験していると知りました。タンポンの使い方や月経カップというものがあることを女性だったけど初めて知りました。(女性)

セミナー前後アンケート
セミナーの前後でとったアンケートでは、生理への理解の深まりに変化が見られました。
『スポーツに携わる上で、男女の身体の仕組みの違い、また女性の生理を知ることは大切だと思いますか』という質問に対しては、セミナー実施前“とても思う”が59%に対し、セミナー実施後は92.6%にまで増え、“そう思う”という回答者を含めると100%の学生が『大切である』と回答しました。
『生理を詳しく知ることで、人間関係や社会活動に良い影響があると思いますか』という質問に対しては、99%近い学生が“良い影響がある”と回答しました。
将来、心身の健康を支えるアスレティックトレーナーとして、子供たちの心身を育む教育者として、性別問わず生理を正しく知り、互い理解することで社会全体を変えていける、という学生の皆さんの意志を感じることができました。

◾️実施概要
・日時: 2023年11月6日(月)14:20~15:50
・会場:至学館大学  〒474-8651 愛知県大府市横根町名高山55
・対象:至学館大学 体育科学科 男女104名(男59名、女45名)
・スピーカー: 株式会社Be-A Japan代表取締役CEO 髙橋くみ、CPO中村千春

【至学館大学概要】

理事長/学長: 谷岡 郁子
至学館大学公式サイト:https://www.sgk.ac.jp/

至学館大学は豊かな教養とともに、深い専門知識と実践力を身につけ、健全な心身に裏付けられた人間力をもって、人々の健康実現のために積極的に寄与・貢献できる人間の育成を目指しています。体育科学科においては、アスリートをめざす人たちの体育・スポーツ活動を科学的・効果的に実践するために必要な専門知識・技能を身につけ、将来アスレティックトレーナーや中学校や高等学校教諭(保健体育)免許状取得を目指す学生が多く在籍しています。


【至学館大学体育科学科 助教 今井美希先生コメント】
Bé-A〈ベア〉さんに講義をしていただき、男子学生は初めて手にする生理用品ですが、実験的に触れることが初めての女子学生も多かったと思います。水分の吸収力にびっくりする学生や「このぐらい吸収されたら取り換え時だね」と話す場面もあり、リアルな体験講義となりました。ただ、講義の最初は男女とも消極的で生理に関してはまだ「秘めごと」なのが現実なんだと実感しました。この学生たちが将来アスレティックトレーナーや教員になってもまだ生理は「秘めごと」の時代なんだろうなと思う一方で、この講義を受けた学生のひとりでもいいから次の若い世代に生理を秘めごとにしない「オープンな生理教育」のPay it forwardをしてもらいたいと願うばかりです。

【Be-A Japan代表 髙橋くみコメント】
この度は、100名超の大学生の皆さんに生理セミナーをさせていただき大変光栄でした。
今井助教授との事前お打ち合わせの際、スポーツ選手が生理中にされる困難などのリアルなお話や、体育教師やアスレチックトレーナーを目指す学生の皆さんに正しく生理について知ってほしいというアツい想いをお伺いし、特別な思いで臨みました。
Bé-A〈ベア〉は、女性が生涯で40年間も付き合う生理について、辛さや不自由さを個人的なものとすることなく生きていける社会を目指しています。そのためには、性別を問わず、教育とリテラシーの向上が必須だと考えています。
セミナー後のアンケートでは、胸が熱くなるお声を多々お寄せいただき涙が出るほど嬉しく思いました。学生の皆さんが社会に出た時に、少しでも今回のセミナーを思い出してくださり、お役に立てる瞬間がありますようにと願っております。